以前、中学受験塾の水増しを調査しました。
その結果水増しどころか水が駄々洩れ状態だったのですが、今年の実績はさらに水増しが助長されていますので共有します。
この全国学習塾協会は学習塾に対する認識と信頼の確保及び 学習塾の健全な発展を図るために設立されました。
この協会が合格基準も定めているのですが、令和6年7月1日よりこの合格基準が以下のように改定されています。
https://jja.or.jp/wp-content/themes/bones_ver0.3/pdf/promotion_self-declaration_conformity.pdf
これまでは受験直前6か月のうちに3か月在籍し、30時間受講する必要がありましたが、改定後は受験直前6か月のうちに3か月受講するか、30時間受講すればいいことになっています。
AND条件がOR条件に変わっていますが、これが何を意味するか皆さん分かりますか?
受験直前期の3か月間、月1回1時間でも受講していればそれだけで合格実績になるということです!
もうね、信じられません。
これまでも合格実績で消費者を惑わせていたのに、さらに混乱を生じさせようとしているのでしょうか?
こんな定義だったら、私であれば「苦手分野克服のための最終特訓」と題し格安で月1回のオンライン授業を設けるかもしれません。
親御さんの不安を利用しつつオンラインという手軽さをうりに誘導できればそれだけで青田買いが完成し、後は合格実績にすべて悪びれもなく掲載して塾の優秀さを数値ベースでアピールしていくだけです。
青田買いなんてと思うかもしれませんが、水増し度合いを見る限り学習塾がやっていることはまさにこれです。
一方でなぜこんなことが起こるかと言えば、少子化も相まって学習塾業界がどんどん厳しくなっているためだと考えられます。
規模の小さい塾はなおさら合格実績を上げたいはずであり、基準を厳しくしてしまうと協会離脱などで今より無法地帯になる可能性すらあります。
だってあれだけ騒動になった臨海セミナーですら、他の学習塾が行ったことは「抗議」だけですよ?
おそらく、基準を守らなくても明確な罰則はないのだと思います。
というか営業停止処分などとなったら被害を被るのはむしろ我々消費者側であり、厳しい罰則自体が設けづらいという側面もありそうです。
つまり合格実績というのは学習塾の善意に基づいた非常に危うい数値であり、これだけで塾を決めてしまうのはかなり危険な行動と言えます。
やはり説明会などでその塾の特性を理解し、子供にあった塾を決めることが必須だと思われます。
まあ、説明会だとほとんど良いことしか言わないですけどね。。
最後に改定された合格基準をもとにうがった見方をすると、以下のコースを設けている学習塾はかなり狙って合格実績を稼ぎに来ています。
- 期間:1年(もしくは半年)
- ぶっちゃけ最後の3か月さえ受講していればいい
- 頻度:月1、2回
- 毎週だと負荷が高いので、頻度を減らして誘導
- スコープ:ニッチ(開成特訓とか、苦手分野徹底克服とか)
- 基本的な学習はメインの塾に任せ、ニッチ分野で親御さんの不安を利用して青田買い
- 費用:格安、もしくは無料
- 成績優秀であれば格安(もしくは無料)などと誘導。合格実績をお金で買ってる感じですね。ちなみに完全無料は本来はカウントできないことになっています。どこまで守られているかは善意ですけどね!
こんなの、素人の私でも思いつきます。
というわけで業界自体が厳しい環境に晒されている今、学習塾業界の自浄作用に期待するのは酷というものです。
であれば消費者である我々は合格実績を鵜呑みにせず子どもに合った塾を丁寧に選択する必要があるのですが、現状では合格実績に取って代わる有効な指針が見当たらないのが難しいところなんですよね。。
いずれにせよ合格実績を殊更強調する学習塾は、学歴を振りかざす中身のない人みたいで私は嫌いです。
では理系パパでした。