このまえ小5息子の11月マンスリーの復習をしていたら、これは良問だ!と思うものが算数にありました。
問題は以下です。
※数値は変更

ABCDは台形、GHはADと並行、直線DEは台形ABCDを2等分する直線とする
(1)DHとHCの長さの比をもっとも簡単な整数の比で求めよ
(2)BEの長さは何cmか
(3)台形AFHDと台形BEFGの面積の比をもっとも簡単な整数の比で求めよ
まずはそれぞれの問題をざっくり解説します。
(1)DHとHCの長さの比をもっとも簡単な整数の比で求めよ
の解法

三角形ADCとFHCは相似だから、CH:CD=18:30=3:5。
よってDH:HC=(5-3):3=2:3
DH:HC=2:3
(2)BEの長さは何cmか
の解法

三角形AFDとCFEは相似だから、AD:CE=AF:FC=2:3 ∵(1)よりDH:HC=2:3
よってCEは30×3/2=45(cm)となる。
また、直線DEで台形ABCDは2等分されるので、台形ABEDと三角形DECの面積は等しい。
面積の求め方はそれぞれ以下である。
・三角形の面積=底辺×高さ÷2
・台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2
台形ABEDと三角形DECは高さが等しいため底辺=上底+下底となる
よってAD+BE=CEとなり、BE=CE-AD=45-30=15
BE=15(cm)
(3)台形AFHDと台形BEFGの面積の比をもっとも簡単な整数の比で求めよ
の解法

BC=BE+CE=15+45=60(cm)
三角形ABCとAGFは相似だから、GF=60×2/5=24(cm) ∵(1)よりDH:HC=2:3
台形AFHDと台形BEFG高さの比はDH:HCと同じく2:3なので、
台形AFHDと台形BEFGの面積の比は
(AD+FH)×台形AFHDの高さの比 : (GF+BE)×台形BEFGの高さの比
=(30+18)×2 : (24+15)×3 = 32 : 39
台形AFHDと台形BEFGの面積の比は32:39
この問題では図形内にある複数の三角形と台形から必要な関係を適切に抽出することが求められています。
逆三角形から三角形、別の三角形から台形へと、問われる問題に応じて視点を変えることは容易ではありません。
いきなり(3)だけが出題されたら、情報が少なすぎてαクラスのお子さんでも少し面食らうかもしれません。
ではこの問題が仮に(3)だけだったら、解法としてはどのようになるでしょうか?
問題の性質上いきなり答えが求められるわけでもないので、一つ一つステップを踏む必要があります。
a.DHとHCの比を求める
b.相似からECを求める
c.面積の関係からBEを求める
d.ECとBEが求まっているので、BCを計算する
e.相似からGFを求める
f.相似から高さの比はわかるので、台形AFHDと台形BEFGの面積の比を求める
ここで実際の設問と照らし合わせて見てください。
実は(1)がa、(2)がb,c、(3)がd,e,fに該当しています!
つまり、この問題は懇切丁寧に誘導用の設問を用意してくれているのです。
私が上記の海城や駒場東邦の入試問題を実際に解いてみて感じたのは「中学受験はちゃんと勉強した人を合格させようとする丁寧な問題が多い」だったのですが、今回の問題はまさにこれに該当しました。
ここまでしっかりした設問だと、
(3)まで解けた人は将来が明るいし、
(2)まで解けた人は自信を持っていいし、
(1)までしか解けなかった人や一つも解けなかった人はもう少し頑張りましょう、
と断言できます。
※こんな書き方していますがうちの息子は(1)までです(笑)
そして、この問題は海城レベルの入試問題とすでにリンクしています。
私が実際に解説した記事を確認してみてください。
難関校である海城の入試の問題ですが、補助線を引く必要があるということ以外やっていることは「面積比」であり、本質的には今回の問題と変わりません。
三角形と台形の面積比が、三角形を組み合わせた面積比に変わった程度です。
何ならセンスがある人は海城の問一を現時点で解けるのではないかと思っています。
今回の問題も海城の問題も難しいか難しくないかと言われたら「難しくない」のですが、解ける人が多いか少ないかと言われたら「完答できる人は案外多くない」はずです。
難しくないが、完答できる人は多くない。
まさにザ・良問って感じです。

